申立人のメッセージ

萩原まみさんと高橋杏実さん

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私たちはつきあい始めて22年になるバイセクシュアルとFtXのカップルです。

40代も後半にさしかかり、遺言書や公正証書を作って、病気や事故に遇ったときパートナーが病室に入れるよう、また相続で困らないよう、対処は考えています。ただ、手間やお金を掛けて手段を講じても、男女カップルと同等の権利が得られないことは不平等だと思います。

2014年6 月、フィンエアー主催のキャンペーンで、多くの方々のご支持を得て、フィンランドのムーミンワールドで結婚式を挙げることができました。フィンランド滞在中、プライドパレードにも参加したのですが、ちょうど同性婚に関する法案が否決された直後で、当事者だけでなくたくさんの支持者が詰めかけて、史上最多の参加人数を記録したそうです。そして、わずか半年後の11月、国民の署名活動により、再度、法案が提出され、性別に中立な結婚が認められました。

個人的には「結婚」という形や名称にはこだわりませんし、「結婚して一人前」というような風潮や、「異性婚」か「同性婚」かと性別を固定してしまうような表現にも違和感があります。ただ、より年若い同性カップルが早い段階で「結婚」という形で祝福され、余計な心労がない状態で仕事や育児に打ち込めるようになれば、社会的にもメリットがあるのではないでしょうか。

フィンランドでは当たり前のように周囲から祝福の言葉をもらい、とても幸せな時間を過ごすことができたのですが、現地の取材陣から日本の状況を聞かれ、「日本では私たちはカップルとして認められない」「式を挙げても、何も変わらない」と答えるのが辛かったです。自分たちの暮らす日本でも、法のもとでの平等が進むことを願っています。

2015年7月6日掲載

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