申立人のメッセージ

佐々木桜さん

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私は、30代のFtXです。

FtMのパートナーと共に歩み始めたものの、「結婚」というものが出来ない事に、悔しさや生きづらさなどを感じて生きてきました。

なぜ、戸籍上同性同士だからと言って本当の関係を拒否されたり、変な目で見られなければならないのか?

それがずっと心の中に引っかかっています。

私が初めて女性を好きになったのは、高校2年生の時でした。

「自分はおかしいのか?」

と思いながらも、戸籍上男性の方と付き合ってみたりしました。

しかし、どこかしっくり来ない部分があり、長続きした事はありませんでした。

まだ「FtX」という言葉を知らないまま25歳になり、恋愛対象が女性である事に気づき、

「自分はレズビアンなのではないか?」

と思うようになりました。

そんなままで29歳になり、今のパートナーと出会いました。

FtMである事は最初は知らず、

「男性っぽい女性なんだ」

と思って接してきました。

お付き合いを始めて少しした頃、パートナーが性同一性障害である事を知りました。

そして、やがて私は、自分が女性として扱われる事に疑問を覚え始めました。

かと言って男性になりたいわけでもなく、数年前に「FtX」という言葉がある事やそういった方達が居る事を知り、自分もそうなのではないかと思いました。

今は、男性でも女性でもない、どちらでもない感じで生きています。

自分らしく生きられればそれで良いと思っています。

パートナーと私は養子縁組をしました。

望んでいた形ではありませんが、パートナーと正式に家族になれて幸せだと思っております。

しかし、なぜ異性愛者だけが結婚が出来て、セクシュアルマイノリティ当事者では出来ないのでしょうか?

不平等だと感じます。

皆、同じ人間です。

ただ、多数か少数かの違いだけでしょう。

是非、日本でも同性婚を認めていただきたいと思います。

そして、セクシュアルマイノリティのカップルにも「婚姻」という選択肢を与えて欲しいと考えます。

2015年7月19日掲載

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