私たちに婚姻は、本当に認めらないのか?
認められないとしたら、それは何故なのか?
若くて健康な時はそんなに考えなかったことですが、40代後半と30代の私たちにとっては、二人が一緒に生活する中で起こる様々な困難や緊急事態を想定しなくてはならなくなりました。
・二人が生活に困ったら?
・年老いてホームに入るようになったら?
・お互い離れた場所で、災害に遭ったら?
・どちらかが、病気や事故でもしもの時に連絡は来るの?
・縁遠い血縁者ではなく、自分を一番知っている相手として手術の時の同意書にサインはできるの?
・どこかで、もしものことがあったら?
・葬儀で喪主になりたいって言ったら?
・遺すものについての権利は?
婚姻で全てが解決という事ではないかもしれません。しかし少なくとも、現在の何も保障のない状態よりは安心できます。
私たちは、少しの安心が欲しいのです。私たちは、この国に既に共に生活しているのです。
それを伝えたくて、2014年、2015年の2回、私たちは青森市役所に婚姻届を提出しました。
結果は予想していましたが、結果は《不受理》
私たちの関係性は不適法を見なされ、婚姻届は返されました。
何があっても、どんな時間を共に過ごそうとも、私たちの婚姻は認められませんでした。
でも、私たちは諦めてはいません。
いつの日か必ず、全ての人にとって婚姻の権利が平等に訪れると信じています。
最後に。
私たちがこうして声をあげられるようになったのは、今までずっと生き抜いてきてくださった先輩方のおかげでもあります。その方達のつけてきた足跡があり、今、こうして全国のみんなの声となって、届けるべきところに届こうとしています。それは、未来の仲間たちにも届くことでしょう。
過去と現在と未来。全てが繋がっています。
どこに居ても、どんな年齢でも孤独な戦いをしなくてもいいよう、この申立てを活かしていただけたらと心から願っております。
【プロフィール】
宇佐美翔子さん・岡田実穂さん 青森県青森市在住
2015年6月16日掲載