2016年6月から2017年12月まで、LGBTの問題を深く学びたくて、ニューヨークに留学しました。
アメリカでは、2015年、連邦最高裁判所が、同性婚を認めないことは合衆国憲法に違反するとの判決を出したことにより、すべての州で同性婚が認められるようになりました。
ニューヨークでも、街中や公園、地下鉄の中などで、同性カップルを当たり前のように見かけますし、休日にセントラルパークを歩いていると、タキシードを着た男性同士のカップルや、ウェディングドレスを着た女性同士のカップルが、ウェディングフォトを撮影しているのをよく見かけます。
同性愛者の存在はもちろん、同性同士で結婚するということも特別なことではなく、男性が、会話の中でさりげなく”My husband is ~”と話すのを聞いて、「あ、そうなんだ。」と気づくこともしばしばで、自分の同性パートナーのことを話す前提として、わざわざ”I am gay!”なんてカミングアウトする人もいないのが今のニューヨークです。
そんなアメリカでも、はじめから同性愛者の権利が認められていたわけではありませんでした。
15年前までは、同性婚が認められるどころか、同性間の性行為を処罰する法律が存在していました。
理不尽な法律や制度を、地道な運動の積み重ねによって変えていき、ようやく同性婚の実現というところまでたどりついたのです。
その中で変わっていったのは、法律や制度だけではありません。
心の中の差別意識や偏見など、人々の意識が変わったのです。
今回の人権救済申立は、同性婚の実現を求めるものですが、その意義は、それだけにとどまるものではありません。
異性を好きになるのが当たり前、身体の性と心の性が一致するのが当たり前だという世間の「常識」を変えること、これこそが今回の申立ての最終的な目的だと思っています。
一緒にかんばりましょう!!
2018年1月22日掲載