申立人のメッセージ

TRさん

ほんの数年前まで「同性婚」なんて言葉、頭をよぎりもしなかった。
権利獲得のために活動している方々の存在は知っていた。
でも失礼なことに、どうせ無理だと決めつけていた。

わたしは20代の頃からカミングアウトに抵抗がなく、
比較的オープンに語っていた方だった。
時には厳しい言葉を投げかけられることもあったが
考え方は人それぞれなので、
ネガティブな反応も仕方ないと受けとめていた。
そんなある日、あくまで共感を示す、明るい口調で発せられた言葉に、
冷水を浴びせられたような気分になった。

「付き合っているだけなら、いいと思うよ!結婚とかじゃないんでしょ?」

この人に悪気はない、それは分かっていた。
でも拭いきれない違和感。

その後、こう考えるようになっていった。
身の程を知り、身の丈の幸せを、わきまえよう。
結婚なんて望むのは、いき過ぎだ。
聞き分けよくしていれば、攻撃されない。

そんな考えが一変したきっかけは、
生涯を共ににしたいパートナーに出会ったこと。
彼女と安心して暮らし、最期まで一緒に生きていきたい。
こう強く願ったとき、やはり結婚制度が必要だと気がついた。

同性婚が認められて起こる変化は、ただひとつ。
幸せな人がふえること。それだけです。
そしてこの幸せは、だれの幸せも奪いません。
愛し合う二人の結婚を認めてください。
このささやかな希望は、一人ひとりのアクションで、
かならず叶えられると信じています。

最後に大切にしている言葉を記します。

たくさんの方の力がひとつとなり、幸せな道ができますように。

思うに希望とは、もともとあるものともいえぬし、ないものともいえない。
それは地上の道のようなものである。
もともと地上に道はない。
歩く人が多くなれば、それが道になるのだ。
〜魯迅『故郷』より〜

TRさん

2017年5月8日掲載

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