香川で、一緒に暮らし始めて8年目になるゲイカップルです。
互いの両親公認で、周囲の友人たちにもオープンにしています。
一昨年には、築40年の中古住宅を手に入れました。
ふたりの「終の棲家」とするべく、すこしづつ改修しているところです。
地方にあっては珍しいケースかもしれませんが、ぼくらは周囲の人たちみんなに受け入れられています。
男女の夫婦と同じように、「カップル」として扱ってもらってます。
けれど、どんなに仲睦まじくても、戸籍上は赤の他人です。
田中昭全の個人名義で購入したお家も、もしもの時、川田有希にはすんなりと相続されません。
養子縁組でカバーすることも考えましたが、戸籍上に記される続柄は「親」と「子」になります。
「個」と「個」で対等に繋がれたいぼくらには、どうしても抵抗があります。
公正証書の作成なども考えましたが、お金をかけて作成しても法的な効力はそれほどないと聞いています。
現行法でやれることには限界があり、諸外国のように「同性結婚」か「パートナーシップ法」が制定されるしかないんじゃないかと考えていました。
『日本で、立法の議題として取り上げられるのは一体いつになるんだろう?』と、長らく待ち焦がれていたところです。
渋谷区の条例などを契機に動き出した今回の「同性婚人権救済申立」を知った時、『これはまさにぼくらが待ち望んでいたものだ!』と腑に落ちました。
そうして、今回の申立人に名乗りを上げることに決めました。
ぼくらが望むのは、至極単純なことです。
『自分たちが互いに選んだ人生の伴侶を、法的なところで家族と認めてください。』
ゲイのアイデンティティがどうのとか、差別解消がどうのとか、はっきり言って二の次です。
自分の伴侶に選んだ相手が同性だったというだけで、法律が認めないのは最大の人権侵害だと思います。
だから、救済を申し立てます。
【プロフィール】
田中昭全さん:香川県三豊市在住。アーティスト。絵やデザインや音楽制作やDJやイベント企画や映像制作など,幅広いジャンルで地元に根を張り活動中。http://www.niji.jp/home/popula-/index.html(*外部リンク)
ゲイの青年を描いた短編映画「エソラ」の監督もさせていただきました。 https://www.facebook.com/esora2013(*外部リンク)
川田有希さん:香川県三豊市在住。演劇の制作やイベント企画などで活動中。「シアター・デザイン・カンパニー」在籍。
「川田中商會」 イベントの企画や運営を行う時のふたりのユニット名。 http://onekoan.blogspot.jp/(*外部リンク)
「MIKANプロジェクト」 ふたりの住んでいる地域で,アートの展示や制作を推進する市民プロジェクト。アーティストの田中が個人で立ち上げ,パートナーの川田と共に賛同者の寄付金のみで運営している。 http://mikanp.exblog.jp/(*外部リンク)
2015年6月9日掲載