弁護団の紹介

須田 布美子 弁護士

須田布美子弁護士の写真私は、弁護士登録してから10年以上にわたり、札幌弁護士会の「両性の平等に関する委員会」に所属して、女性に対する差別と暴力の根絶、そしてその被害者の救済、という問題に取り組んできました。実際に担当する事件も、DVやストーカー、セクシュアルハラスメント、性犯罪の被害者の事案が多かったと思います。

これらに取り組んでいるうちに、パートナーからの暴力や社会のおける性差別は、必ずしも男性から女性に対するものとは限らないことに気づきました。男性から男性に対する性暴力、女性から女性に対するストーカー、女性から男児に対する性虐待・・。残念ながら現実に事件はたくさん起こっているのに、男性から女性というベクトルでは使えた法律や社会資源が、対象がセクシュアルマイノリティになった途端、使えなくなりました。同性カップル間では暴力が酷くても接近禁止の保護命令が出なかったり、暴力から逃げようと思っても戸籍上男性だという理由でDVシェルターに入れなかったり、いくつもの壁にぶち当たります。

これは、社会がセクシュアルマイノリティと言われる人々の存在を無視したまま、マジョリティの常識で社会を構築してしまったからだと思います。

そこで、私は、社会がマイノリティを無視しないための活動を始めました。弁護士会でセクシュアルマイノリティのための電話法律相談を開催したり、弁護士会内で勉強会を開いたり、札幌市に同性間でも使えるパートナーシップ認証制度を創設するための活動をしたり、とにかく手に届くところから始めたという感じです。

幸い、札幌市の制度は、札幌市長への申入れからわずか1年で実現しました。そこで、地元での活動が一区切りできたのを契機に、今度は国の制度に向けて動きたいと思い、本弁護団に加入させて頂いた次第です。

私は途中参加ですし、まだ知識も浅く微力ではありますが、皆様と一緒に、誰もが生きやすい、誰にも寛容な社会を作っていけたらと思っています。

2018年1月7日掲載

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